面識のない新郎新婦に結婚式の友人スピーチを頼まれた人に贈るカンペ

たけし君、よしこさん、本日はご結婚おめでとうございます。

ただいまご紹介にあずかりました、私、町田と申します。私と新郎新婦はさっき道端でバッタリ初対面をかまさせていただいたところを、なぜか友人スピーチをするという運びになりました。

しかしながら、新郎のたけしさんと目が合った時に あぁ、まるで中・高と同じ学校で大人の階段を登り、時に笑い、時に泣いた様な気がすると思ってしまった事実がこうして私がマイクの前に立っている理由のひとつであります。

またよしこさんの澄んだ瞳、純白のドレスもかすむほどの色白な美肌に魅入られた瞬間、あぁ、この人の親の顔が見てみたいわ!と思ったのも大きな一因でございます。今、こうしてよしこさんのご両親を目の前にして、やっぱりこんな素敵な女性を育てるお二方は偉大である、私は間違っていなかったと確信を持ちました。

そして、ご両親の「誰なんだこの非常識なやつは?」と言いたげな怪訝な表情を察して、やっぱり見知らぬ人の友人スピーチをするのは間違っているという再確信も同時にぶり返してきて、パラドックスであります。

しかし、気を取り直してみれば、結婚式というのは、たいていが一生に一度。そして、私のこのアウェイな状況は、一生に一度あるかないかでございます。お互い今日という日を楽しまなきゃ損、損であります。損、損であります。

58歳、発明家、14歳になる一人娘から「お前みたいなもんが敷居をまたぐな」と言われ、帰宅するたびに通行料として2000円を払っている私ではありますが、お二人の結婚を心から祝福させていただきます。

無粋な話にはなりますが、このスピーチの役目を無事果たしたということでご祝儀の3割をもらえればと銭勘定しております。

まとまった金を前払いで娘に払えば、3か月間は、ETC扱いで家の敷居をまたげるという法案が可決されたのです。

ぜひ、ご検討ください。たけし君、よしこさん、ご結婚おめでとうございます。